真夜中に、ビラを投函して廻る。
「昼間に配った時に、受け取ってくれない大多数の人や、
ヤジを飛ばしてくれる人なんかがいたじゃないですか。」
「いましたねー」
「そんな人達が、『駅前でも!ショッピングセンターでも断ったのに遂に自宅まで!』
なんて思ったりしないのかなーって。」
僕の杞憂を他所に、
次の日には近所の人達が僕達にミカンやお餅を届けてくれる。
それでも僕はちょっとだけ不安だ。
それが大多数であろうと一握りであろうと、
怒声に勝る大きな音も無い。
それが全体を動かすトリガーになって、今に僕達に襲いかかる、
それよりも僕達が支援しようとしていた人々に襲いかかる。
そんな僕の杞憂を他所に、
コロッケやらおでんやらお漬物やらが僕達の住処に高く詰み上げられる。
共産主義者ではない僕にとって、
既にこれは十分な革命なんじゃないかと思う。
だって食べ物が山のように。
それでも皆は戦い続ける。
だってそこに住み続けられる保証も無ければ、
Aさんが行政に殺されかけたのもつい最近だ。
戦い続ける皆を他所に僕はぶくぶくブクブク幸せを感じる。
だってこの公園には食べ物が山のように。